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Fortune and misfortune are next door neighbors. 「禍福はあざなえる縄の如し」ってとこですかね。
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    HN: 凪茶(ニャギ茶)

    性別: 男性

    職業: くたばり損ないの猫

    趣味: 工作&洋弓&カレー

    自己紹介:
    色々と試行錯誤しながら珈琲の自家焙煎や焙煎機の工作などをしています。
    趣味とリハビリを兼ねてアーチェリーもやってます。
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    オススメ度:★★★☆☆
    調理時間:調理1時間強→熟成2~3日間→仕上げ10分

    解説:カシミール地方の民族料理「ヤクニ」を意識してアレンジしたものです。
    牛乳とヨーグルトが特徴的なホワイトカレーで、本場のものはとんでもなく辛いとか。

    所見:考えていたよりも、ずっと普通のカレーになってしまいました。
    牛乳とヨーグルトが塩味を引き立てるのか、塩分は通常よりも強く感じます。
    控えめに入れて、微調整していくことをオススメします。

    反省点:肉団子を炒めるのは別のフライパンで。
    また、肉団子は食べる直前にカレーに入れたほうが良いかも。



    一回目から変わりだねカレーというのもどうかとは思ったのですが、まあ最初だからこそというのもアリかなと思い、とりあえず記事にしてみます(笑)

    アーチェリー定例会で「カシミールカレー」なるものの存在を聞き、どんなものか調べて作ってみました。
    どうやら日本では上野にあるカレーの老舗「デリー」のオリジナルカレーである「カシミールカレー」なるものが有名らしいですが、これは別にカシミール料理を参考にしたわけではなく、単に名前を借りているだけみたいです。

    カシミール料理について調べてみると、「ヤクニ」というカシミール地方独特のカレーがあるそうで、これが本来の意味での「カシミールカレー」と思われます。
    ヤクニとは「肉汁」の意味だそうで、調べた限りの特徴としては、

    ・牛乳たっぷり
    ・ヨーグルトたっぷり
    ・羊肉
    ・スパイスの効いた肉団子
    ・野菜少なめ?
    ・超絶辛い

    こんな感じのホワイトカレーらしいです。
    どうやらカシミール地方は肉食と菜食がかなり極端に分かれている印象で、ヤクニは「肉汁」という名前通り、かなり肉に偏ったもののようです。
    ヒマラヤの麓とあってものすごく寒い地方なので、こう言った「ミルク・油・肉がたっぷり」な食事が発展するのでしょうね。

    ところで、カシミール料理について調べていたら、面白いことを知りました。
    「ヒンズー教では牛は神聖な動物で、絶対に食べない」というのはご存じの方も多いでしょう。実際、インドには牛肉の食肉加工・販売・単純所持すべてが違法とされている州もあるくらいです。
    しかしその一方で、水牛に関しては何の抵抗もなく普通に食べているそうです。
    その理由は、水牛は「マヒシャ」と呼ばれる悪魔の化身だそうで、それゆえどんな扱いをしても問題ないのだとか……。
    我々がインド(ヒンズー)料理を作ろうとする際には、無条件に牛肉を外しがちですが、単に味を再現するだけならば、水牛肉の代わりとして牛肉を使うのもアリなのかも知れませんね。
    (当たり前ですが、これをヒンズー教徒に食べさせちゃ駄目ですよ! 洒落になりませんから)

    さて、ヤクニに話を戻しましょう。
    特徴を眺める限り、作れないようなものではなさそうです。
    とりあえず、いつも作ってるカレーをベースにアレンジする方向でやってみようと思います。
    それでは、レシピから行きましょう。



    ◆基本カレー具材(6人分、最低これだけあればカレーにはなります。これだけでは寂しいですけどね)
    ・カレー粉(こちらのエントリで紹介したもの):40~46グラム
    ・塩:14グラム+仕上げ時に微調整
    ・にんにく:大1/2個
    ・すりおろし生姜:小さじ1
    ・ラード(チューブ):8~10cm(オリーブオイル大さじ5で代用可)

    ◆追加カレー具材(必須ではありませんが、あるとより美味しくなります)
    ・スタータースパイス(クローブ、ローレル、コリアンダー、オールスパイス):それぞれ少々
    ・冷凍玉葱(アメタマ用みじん切り):1個分
    ・ローレル(煮込み用。肉なしなら不要です):4枚

    ◆スープ(この辺りはお好みでどうぞ)
    ・カットトマト缶詰(400cc):1缶(今回は使いません)
    ・鶏がらスープ(冷凍1cm角):4ブロック
    ・赤ワイン:50cc
    ・コーヒー:200cc
    ・ギー(インド発酵バター):大さじ2
    ・マンゴチャツネ:小さじ1

    ◆野菜(いつも使ってるものでどうぞ)
    ・玉葱:1個
    ・人参:1本
    ・エリンギ(2~3本入り):1パック
    ・ひよこ豆水煮缶詰(100グラム):1缶

    ◆肉その他(今回のカレーで使う特徴的な具材です)
    ・ラム肉(ジンギスカン用厚切り):270グラム
    ・スパイス肉団子(下記参照)
    ・牛乳:400cc
    ・ヨーグルト:200cc

    ◆スパイス肉団子具材
    ・豚挽き肉:190グラム
    ・オートミール:大さじ1
    ・牛乳:少々
    ・カルダモン:小さじ1/4
    ・ブラックペッパー:小さじ1/4
    ・塩:小さじ1/2
    ・クラッシュアーモンド:10グラム



    今回はヤクニ(カシミールカレー)ということで、牛乳、ヨーグルト、肉団子、ラム肉が入っている点、トマトを使用していない点が特徴的です。
    あと、ヤクニを作る際の注意点として、カレーでは肉を最初に炒めるのが一般的ですが、ヤクニは「肉汁をしみ出させること」が特徴なので、あえて炒めずに後から投入します。
    ただし、肉団子でこれをやるとホロホロに崩れてしまうと思うので、肉団子は最初にミニハンバーグのように炒めることにします。

    にんにくや玉葱は臭いがきついために好まれないそうで、カシミール地方では使うことは少ないとのこと。
    しかし、にんにくも玉葱もなしではきちんと味を出せるか自信が持てないので、あくまでも「カシミール風」ということで、今回は使うことにしました。
    あと、カシミール地方ではアーモンドなどのナッツ類が好まれるそうなので、それも加えることにします。とはいえ、単にカレーに放り込むだけでは能がないと思い、ここは一つ、肉団子の中に練り込む形で混入させることにしました。

    それでは行きましょう。



    料理を始める前の準備段階として、カレー粉46グラムはメインスパイス(33グラム)と仕上げ用スパイス(13グラム)に分けておきます。
    あと、塩もこの段階で計って用意しておくと、後でバタバタしないで済みます。
    右下のスパイスは後述するテンパリング用のスタータースパイスです。ローレル二枚分、クローブ、コリアンダー、オールスパイスをそれぞれひとつまみ。



    肉団子から作ります。



    オートミールは肉団子のつなぎ用です。パン粉でもいいのですが、オート麦のほうがそれっぽいかなと思い、目の前にあったので使いました(笑)
    豚ひき肉を伸ばして、牛乳でふやかしたオートミール、アーモンド、塩、カルダモン、ブラックペッパーを混ぜ、こねまくります。
    ハンバーグと同じで、結構気合入れてこねたほうが後々崩れにくくなると思います。



    こね終わったら、ミニハンバーグ作成。



    これで肉団子はオッケーです。
    なんか、これだけでも美味そうに見えるから不思議です。
    ハンバーグも追求すると奥が深そうですね。



    さて、次は野菜です。
    玉葱はざく切り、にんにくと人参はみじん切り、エリンギは輪切りに。



    人参のみじん切りがなにげに一番疲れますね。家電店に行く度にフードプロセッサーの前で数分は悩みますが、アレどうなんでしょうね。みじん切りのはずがペースト状になっても嫌だなあと思い、手を出していません。



    次にスープを作ります。
    これもあらかじめ作っておけば、野菜を炒めてからすぐに投入できるので慌てずに済みます。



    これは人によって色々なのでしょうが、私は赤ワインとコーヒーと鶏がらスープ、それに、後述するアメタマ用玉葱を解凍した際に出た汁を搾ってここに入れています。
    赤ワインはブランドによってどれくらい差が出るのかは分かりませんが、私は酸味・渋み・味の濃さのすべてが強く、そして安価なカベルネ・ソービニョンを選んでいます。
    鶏がらスープはアマゾンで「リケン 逸品中華 がらスープ(チキン) 1kg」というものを購入し、1センチ角の製氷皿で冷凍したものをジップロック保存、ブロック単位で使用しています。
    これメチャクチャ便利ですね。



    では、火を入れましょう。
    まずはテンパリングで油に香りをつけ、その後アメタマを作ります。
    この作業に関してはテンプレなので、こちらのエントリをどうぞ。(別窓で開きます)



    アメタマが出来たところで、肉団子投入。



    ハンバーグの要領で、表面を焼いていきます。
    ここでちょっと失敗してしまいました。
    ハンバーグを焼くのに手こずって、せっかくのアメタマが少しお焦げに……。
    この作業は、別のフライパンであらかじめやっておいたほうが失敗しないかも知れませんね……。



    野菜投入。



    本当は肉→硬い野菜→柔らかい野菜、という順番がセオリーですが、今回は硬い野菜(人参)がみじん切りにしてある(=火が通りやすい)ので、全部一気に行きました。



    玉葱がしんなりしてきたら、スープ投入。
    肉や野菜に火が通ってくると柔らかくなり、全体の量が減ったように見えてきますので、そのあたりを目安にしても良いでしょう。



    ひと煮立ちさせます。



    牛乳&ヨーグルト投入。



    ここでもまたひと煮立ちさせます。
    普段はこの段階で水を入れるのですが、今回は牛乳を入れたら水を入れる余地がなくなりました(笑)



    にんにく、すりおろし生姜、ラム肉を投入。



    ジャンジャン入れます。
    しかし、焦げたアメタマが目立ちますね……。



    ローレル、塩、カレー粉(メイン)を投入。



    「ただの煮込み料理」が「カレー」に転生を遂げる瞬間です。



    ギー(インド発酵バター)、マンゴチャツネを投入。



    これで入れるべきものはすべて入れ終わりました。
    あとは弱火にして、ひたすら煮込みです。



    キッチンタイマーを設定、使った皿などを洗いつつ4分おきに鍋の底をさらう要領でかき混ぜます。
    あくまでも焦げ付き防止が目的。むやみにかき回す必要はありません。



    7~8回くらい繰り返すと、いい感じになってきます。玉葱が完全に透明になったらオッケーです。
    火を止め、今度は熟成のために寝かせに入ります。

    以前は寝かせは二日間と決めていましたが、最近は三日間寝かせるように変えました。
    体感ですが、当日より二日目が、二日目より三日目が、そして三日目より四日目が圧倒的に美味しいのですが、四日目と五日目ではそれほどの巨大な差を感じないためです。
    具体的には木曜の夜に作って、日曜の夜と月曜の朝に食べる感じですね。
    冬以外は常温では傷んでしまうため、私の部屋の冷蔵庫のうち一段をカレー寝かせ用として確保してあります。
    冷蔵庫にスペースがなければタッパーでもジップロックでも問題無いですが、こぼしたりしたら目も当てられませんし、やはり鍋ごと入れたほうが手軽でいいですね。
    なんにせよ、くれぐれも食中毒にはご用心を……。



    そして三日の時が流れた……。



    三日間寝かせたのち、軽く水で緩めてから仕上げスパイスおよびラード(あるいはオリーブオイル)を投入、塩で味を整えれば完成です。
    塩加減については、こちらのエントリで説明しています。(別窓で開きます)



    食べた感想ですが……なんだか、あれだけ牛乳とヨーグルトを大量に投入したにも関わらず、思ったよりもずっと普通のカレーですね……。
    もっと「まろやかクリーミー」を想像していましたが、「ちょっと牛乳臭い普通のカレー」でした。
    ミルクこってり感を出したいのであれば、生クリームとかを入れたほうが良いのかも知れません。
    ここらへんはもうちょい研究の余地がありそうです。
    なお、牛乳のせいかヨーグルトのせいか、あるいは肉団子から染みだしたか、他のカレーに比べて塩分が強く感じられます。特にヤクニの場合、塩は少なめ少なめに攻めたほうが良いようです。

    ちなみに、今回の配分ではピリ辛的には本物のヤクニにはまったく及んでいないと思われます。(何しろ本物を食べたことがないので)
    今回のカレー粉にカイエンペッパーは8グラム入っている計算になりますが、好みによりさらに追加すると良いでしょう。ピリ辛が苦手でない限り、辛さ二倍(+8グラム)くらいまではわりと普通に食べられます。チャレンジャーな方は+16グラムくらいを試すのも良いかもしれません。

    あと、ミニハンバーグは最後に入れたほうが良いようです。
    煮崩れこそしませんでしたが、味が染みすぎてしまい、ラム肉とたいして変わらない味になってしまいました(笑)
    せっかく凝った味にしたのですから、しっかり目に焼いて、食べる直前に入れたほうが楽しめると思われます。
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