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Fortune and misfortune are next door neighbors. 「禍福はあざなえる縄の如し」ってとこですかね。
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    HN: 凪茶(ニャギ茶)

    性別: 男性

    職業: くたばり損ないの猫

    趣味: 工作&洋弓&カレー

    自己紹介:
    色々と試行錯誤しながら珈琲の自家焙煎や焙煎機の工作などをしています。
    趣味とリハビリを兼ねてアーチェリーもやってます。
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    いよいよ焙煎に挑みます。

    注)この時点ではまだ試行錯誤中なので、致命的なミスを沢山しています。
    この通りにやると失敗する可能性が高いので、参考にはしないでください。

    ■ハンドピック(焙煎前)
    生豆はいきなりそのまま焙煎するわけには行きません。
    何故かと言うと、
    ・欠点豆(カビ、割れてる、腐っているものなど)
    ・不純物(小石、他の木の実、スペイン金貨など)
    これらを取り除く必要があるのです。
    スペイン金貨と言うのは冗談ですが、実際に南米ではこの手の話が迷信と言うか、ヨタ話として語り草になっているそうです。
    まあ、仮に本当だったとしても、日本に来るまでに確実に回収されてしまうでしょうけどね。

    さて、生豆は原産国から輸出される前に現地でもハンドピックを行っており、概ね8~9割方の欠点豆や不純物は除去されているそうです。
    ちなみに珈琲大国ブラジルでは独自に基準を設けており、この不純物の少なさを格付けしています。
    ブラジルサントスNo.2と言う言葉をしばしば耳にしますが、この「No.」が不純物の少なさで、「No.2」が最高級を意味します。(No.1は存在しません。永久欠番みたいなもの?)

    我々の手元に生豆が届いた時点では8~9割方の不純物は取り除かれていますが、当然、1,2割の不純物は残っている理屈になります。
    焙煎前に、これを取り除く作業を行う必要があるわけです。
    これが、ここで言うところのハンドピックです。
    実際にやってみます。

    ハンドピック

    トレイの向こう側に豆を広げて、OKの豆を手前に弾く感じです。
    これが中々難しいですね。
    何がどう難しいかと言うと、「除去する基準が判らない」と言うことです。
    500グラムを全てハンドピックしたところ、あからさまな不純物、つまり小石や他の木の実や金貨などは全くありませんでした。
    こう言う「ひと目で判別可能な不純物」は真っ先に除去されるため、ここで除去すべきものは殆どが欠点豆になります。
    この「欠点豆」ですが、概ね以下のような基準になります。
    ・カビが生えてる
    ・腐っている
    ・白く変色している(死に豆と言うそうです)
    ・欠けている
    ・形がいびつ

    ハンドピック屑豆

    やってみると、かなり地味で面倒でつまらない作業です。
    せっかく購入した豆を捨てなければならないと言う性質も、ネガティブに働いている気がします。でも一粒をケチったために全部の豆が台無しになると考えたら、やらない訳にもいきません。
    カビや腐敗、欠けや変色は片面だけを見ても判らないことが多いので、2,3往復ほど繰り返す事で除去していきます。
    これだけなら「面倒」で済む話なのですが、最大の問題は「形がいびつ」な豆の除去です。
    もちろん豆は自然の産物ですから、完璧な形の豆なんてありません。はっきり言って、どれもこれも、多少なりとも「いびつ」です。
    厳しく判別していくと、半分近くの豆がNGになる気さえします。この辺りの基準を自分の中に設けるのがプロなのでしょう。
    焙煎を売り物にするお店はこのハンドピックの基準の厳しさを売り物のひとつにしているようで、店によっては「迷ったら捨てる」と書いてあります。
    でも私がそれをやると半分くらい捨てる事になるので、基本は「迷ったら残す」で行く事にします。
    明らかに「これは駄目だろう」と思う豆のみを除去しました。



    ■水抜き
    ここから火を使います。カセットコンロにセラミック網をセット。

    焙煎00カセットコンロ+遠赤網

    ここで気をつけないといけないのは、ボンベのある位置には、絶対に網を被せてはいけないと言う事です。セラミック網から熱がボンベに伝わってしまい、爆発事故にも繋がる事があるそうです。

    取り合えず点火して、豆の水分を飛ばします。100グラムの豆を入れた手網を炎から20cm程度の遠火を保ち、じゃかじゃかと振りながら時間をかけて熱して行きます。
    これがまた、地味で退屈です。更に豆の水分が抜けたかどうかがとても判りにくく、ここにも身体で感覚を掴む熟練の技が必要なようですね。
    水分を飛ばすと、1,2割ほど軽くなり、音が変化してきます。さっきまで「ザクザク、ジャカジャカ」と言った感覚だったのが、「さらさら、ちゃらちゃら」と言う軽い印象の音になります。
    境目があるような劇的な変化ではないので、かなり慣れないと水が抜けたのかどうかを判別するのは難しいです。
    最初はかなりしつこくやったのですが、こんな状態になりました。

    焙煎01水抜き

    生豆と比較すると、渋皮が殆ど剥がれ、全体的にツヤツヤしている印象です。
    この状態を「白豆」と言うそうで、この状態で売ってくれるお店もあるようですね。



    ■焙煎
    水が概ね抜けたと判断したら、手編みを一気に炎から5cm前後の距離へ近づけます。
    この近火の距離が全てと言っても過言ではないので、微妙に近づけたり遠ざけたりしながら調節。もちろん、この間ずっと手早く振り続けています。かなり疲れました。

    そう待つことなく「パチッ」と豆が爆ぜる音がして、これを皮切りにパチパチと次々に弾け始めます。
    この段階を「1ハゼ」と言うそうです。
    1ハゼは30秒~1分続き、一旦収まり、この辺りから頻繁に手編みの蓋を開き、色をチェック。
    1ハゼしてから30秒程度で止めたら、こんな色になりました。良い感じです。

    焙煎02ミディアム

    ミディアムローストと言ったところでしょうか。
    今回は500グラムの豆を200グラムをミディアムローストに、300グラムをハイローストにするつもりだったので、この豆の焙煎は一旦ここで終了とします。

    ちなみに1ハゼが終わった後、更にしばらく煎り続けると、再びハゼが始まります。
    これを2ハゼと言い、深煎りの基準になります。



    ■冷却
    手網を全力でぐるぐるぶんぶんと振り回します。傍から見ると変な人ですが、手網だとこれで一気に冷却できるのが便利ですね。
    万が一蓋が開いてしまったら、大変悲しい結果になってしまうので、しっかり握っておきます。
    手網以外だと、一旦ザルなどに開けてワサワサと揺らしながら扇風機や団扇で冷やしてやる必要があるそうです。



    ■ハンドピック(焙煎後)
    良い色に焙煎できたら、再びハンドピックです。
    トレイに開け、チャフ(薄皮)をふーふーと吹き飛ばします。手網とトレイを往復させ、残ったチャフを捨てる事を繰り返すと効率が良い感じです。
    焦げ過ぎたもの、生焼けのものを除去します。
    これで、一通りの作業は完了です。
    この時点ではまだ嗅ぎ慣れた珈琲の香りは出ておらず、ちょっと不安になります。(香りは後から出てくるので心配はありません)



    ■次々にやってみる
    残りの400グラムを、100グラムずつ四回に分けて焙煎しました。
    やはり水抜きが一番時間がかかります。慣れて距離感がつかめてくると、水抜き15分、焙煎3分と言ったところでしょうか。
    先ほどミディアムローストが出来たので、次はハイローストを作ります。
    同じ要領で水抜き、焙煎と進み、1ハゼが終わった後にももう少し粘ります。ちょくちょく色をチェックしながら、「ふむ、こんなもんかな」と思うまで色を濃くしていきます。

    焙煎03ハイ

    できたのが、こんな色です。取り合えず意図したとおりに出来たようです。
    段々要領がつかめてきたので、どんどん行きましょう。

    焙煎04フルシティ

    ……失敗。フルシティローストになっちゃいました。
    失敗の原因は、やはり火との距離だと思います。
    火が強すぎたため、1ハゼが終わる前に2ハゼが始まっていたようで、「なかなか1ハゼが終わらないなー」と思いながら煎ってたらいつの間にか煙がすごい事になり、気が付いたらこんな状態になってしまっていました。
    時間が経過してセラミック網が想像以上に加熱したのも誤算で、この分だけ火から距離を置くべきだったようです。
    あるいは、セラミック網がこの状態になってから焙煎を始めるべきだったかも知れません。

    結果、ミディアムロースト180グラム、ハイロースト160グラム、フルシティロースト80グラムが完成しました。目方が減ってるのは水分が飛んだためです。
    生豆に比較して8,9割の重さになるようです。



    ■課題
    今回やってみて感じた事。

    1.セラミック網の加熱をあらかじめ充分にしておく
    2.手網の取っ手が細い金属製なので、掴みにくい
    3.鍋掴みのままでは手網の蓋を開けにくく、色を確認しにくい
    4.煙対策をしておく

    1は実践あるのみ、2,3は手網のほうを改造する事で解決できそうです。
    4は、もちろん「屋外で行う」と言うのもそうですが、それでも服や髪に甘ったるい臭いがこびり付きます。出来れば汚れても良い(臭いが付いても良い)服で行う事、お風呂の準備をしておく事、くらいでしょうか。



    ■まとめ
    初めてにしては割と良く出来たほうじゃないかなと思います。
    珈琲豆は焙煎後は二酸化炭素が出続けるので、最低2日間は熟成させる必要があります。
    それでもやはり「煎りたて」を飲んでみたくてガマンできず、ついムラムラとミディアムローストに手をつけてしまいました。
    焙煎直後だから不味いなどと言う事はなく、ちゃんと珈琲してます。自分で言うのもなんですが、とても美味しく満足の出来る味でした。
    香りの方も冷却後2,3時間経ってから嗅いでみたら、珈琲らしい心地良い香りになっていて、安心しました。

    金額的な面ですが、機材的には 前回のエントリ で書いたとおりです。生豆については今回は練習用に500グラムを600円で購入しました。
    1~2割が水分として飛んでしまうので、シビア目に見て400グラムの焙煎豆を作るのに600円かかっていると考えるのが良いでしょうか。
    私のメリタ式ドリッパーでは一杯が8gなので、50杯。600/50=12で一杯当たり12円で飲める計算になります。

    ちなみ今、新たに注文している生豆が1kgずつ4種類、合計4kgで3350円(送料込み)です。
    4kgのうち2割が水分で無くなるとして、致命的な失敗をしなければ3.2kgの焙煎豆が出来上がる計算ですね。
    同じくメリタ式ドリッパーで計算すると、3200/8=400杯になります。
    3350/400=8.375、一杯当たり8.5円程度で飲める計算になりますね。
    焙煎済みの豆を買うと一番安いところで一杯15円~なので、手間を楽しむ事さえ出来れば、お財布にも優しい結果になり、ホクホクです。



    「始める前の印象よりも、ずっと簡単だった」と言うのが率直な感想です。
    ただ、準備やら服やらお風呂やら時間的な拘束はそれなりに大きいので、「誰にでもお勧めできる」とは言いがたいところです。
    特に、臭いに関しては気分が悪くなる人もいるかも知れないので、注意が必要ですね。
    肝心の味については、明日辺りから飲み頃になるので、ぼちぼち報告していきたいと思います。

    手袋

    終わり。

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